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開店直後のおとしあな

オープンセールは危険?

コンセプトを作り、物件を見つけて、内装・厨房を作成、メニューを開発……。
時間をかけてやっとこぎつけた夢の飲食店オープン……。

image「気合を入れてビラをまき、大々的にセールも行って、華々しくオープンしよう!」

という方がほとんどだと思われますが、これが実は大きな「おとしあな」なのです。

多くの方がいざオープンとなると期待の反面、「お客様は本当に来てくれるだろうか?」「お店はうまくいくのだろうか?」と不安に感じられるものです。

そのため、たくさんのお客さんに自分のお店のオープンを知っていただくために、大々的に宣伝を行ったり、開店セールを行ったりしてしまうというケースが多いようです。「それが普通じゃないの!?」と驚かれるかもしれませんが、実はこうした開店直後の大々的な販促活動は、自分の首を絞めてしまうことになりかねないのです。

オーナーさんも含めお店のスタッフが、まだお店の仕事(オペレーション)に慣れていない内から、お客様の大行列が出来てしまうと、次のような問題が起こってしまいます。

落ち着いて接客できず、対応が悪いという印象を与えてしまう。

慌てたスタッフが、お皿やグラスを落として割ってしまう。

料理の提供が間に合わず、お客様を待たせてしまう。

焦って作るため、料理の味や盛り付けの質が下がってしまう。

これらはあくまで一例ですが、慣れない内から無理をすると、ろくなことにはなりません。お店の悪い噂というものは、良い噂に比べて、10倍近い速さで広まると言われています。すでに開店準備の段階で多くの時間がかかり、焦ってしまう気持ちも分かりますが、せっかくのオープンが台無しになってしまうのは勿体無い事です。

サイレントオープン

サイレントオープンという言葉をご存知ですか?
その言葉どおり、敢えて告知をせずにお店をオープンさせることを言います。売り上げが気になる開店時に、宣伝もろくにしないというのは、とても度胸がいりますが、すでに多くの飲食店オーナーがこれを実践し、効果を挙げています。

宣伝もセールもしなければ、大々的に告知をした場合にくらべて、当然来店されるお客様の数は少なくなります。
「そんな事やっていたらお店は繁盛しない!」と仰られるかも知れませんが、開店当初はそれでいいのです。来店人数が少ないうちであれば、落ち着いてマニュアルやオペレーションの練習をし、接客に磨きをかけ、料理の味とスピードを調整する事が出来ます。

「でもそれじゃあ、オープンセールが出来ないじゃないか……。」
そんなことはありません。二週間〜一ヶ月程度の、そうしたトレーニング期間を経たうえで、そこで初めて「グランドオープン」させるのです。今度は満を持して大々的に告知を行い、オープンセールも堂々とやりましょう。「本当は一ヶ月前にオープンしていたんだから、このオープンセールは嘘っぱちだ!」なんて仰られるお客様はいないでしょう。いつだってセールをしてくれれば、客側からしてみれば嬉しいはずです。


開店の戦略として、
「サイレントオープン」⇒「グランドオープン」という作戦を、ひとつの手段として考慮してみてください。

一度でもお客様に嫌な思いをさせてしまうと、二度と来店してもらえない上に、変な噂が広まって開店当初から評判を落としてしまうことになりかねません。ようやく開店までこぎつけたのですから、もう少しだけふんばって、最高のコンディションを整えてから「グランドオープン」を迎えましょう!

開店後チェック項目

ここではオープン当初の時期において、特に注意してチェックしておくべき項目を書いておきます。前述の「サイレントオープン」という作戦を実行する上でも、こうした項目についてよくよく訓練・調整を重ねて万全な「グランドオープン」を目指すことが大切になってきます。

料理

image料理に関して、開店してから訓練・調整が必要なポイントは主に、次の4点です。

お客様の声を反映していますか?

提供に時間がかかりすぎていませんか?

在庫管理は大丈夫ですか?

利益はしっかり確保出来ていますか?

いままでは、自分の舌や仲間内での味見を頼りに料理開発をされてきたかと思いますが、オープンしてからはお客さんという大切なご意見番が実際にいるわけです。ある程度お客さんの意見を取り入れていく事も、飲食店経営には大切です。メニューの売れ行き状況を確認しながら、時には売れないメニューを廃止して、新メニューを投入するなどの工夫が必要になってくるでしょう。もちろん「ぶれないこと」も大切ですが、「ひとりよがり」も禁物です。

一般的に料理の提供時間は、注文が入ってから5分間以内であるのが望ましいと言われています。訓練や工夫を通して作業効率を上げることで、大行列が出来た時でも落ち着いて対応できる事を目指しましょう。自分のお店の厨房配置に慣れることも重要です。

ついつい疎かになってしまいがちなのが、食材等の在庫管理や原価・利益のチェックです。何かと面倒な作業が多い分野ではありますが、お店に利益をもたらすにはとても重要な作業なのです。一月に一回は原材料の仕入れ量、使用量、在庫量を調べる、「棚卸し」を行いましょう。食材のロスをなくして、必要な分だけ仕入れるようにすれば、売上げが増えなくても利益を増やす事だって可能なのです。

設備

特に居抜きの場合に多いのですが、開店後に設備(厨房機器やエアコンなど)の不具合・故障が起きたというお話をよく聞きます。そして大概そうしたトラブルは、金曜や土曜などのお客様が大勢いらっしゃるかきいれどきに起こるものです。よく考えれば、お店が混んでいる時程、機械もフル稼働しているわけですから、そうした時に故障が起きるのも当然です。

出来るだけオープン前に、エアコン・グリーストラップ、フード・ダクトはクリーニングを行っておくことをお勧めします。また、厨房機器の故障や設備不足もよくあります。居抜きや中古の場合、その機械の年式を聞いておき、故障するリスクをあらかじめ把握しておくと良いでしょう。こうしたトラブルには、あわてず冷静に対処することが肝心です。

店舗清掃

クレンリネスは飲食店の作業の中でも、最も重要な作業のひとつと言えるものです。衛星管理が行き届いて、食事をするフロアや、トイレなどがきれいに磨き上げられている事は、飲食店の基本と言えます。オープン当初から気をつけることで、店舗を清潔に保つことを習慣化し、当たり前に綺麗な状態を保つといういい流れを作っておきましょう。

特に、トイレの清掃は重要です。「トイレは厨房を映す鏡」という言葉があるように、クローズドキッチンの場合など、トイレを見て厨房の清潔さを判断する方が多いと言われています。「舐めても平気」というぐらいにまで、トイレは綺麗にしておくことをお勧めします。

また、グリーストラップ等、厨房の清掃は、食中毒などのトラブルにも繋がってきます。十分に気をつけておかなければ、後で大変な目にあう可能性があります。

接客

image接客の重要性は、ここでご説明するまでもありません。非常に大切です。どんな接客スタイルを選択するかは、お店のコンセプトによって決めるべきでしょう。

しかし、お客様に接する態度が、お店のイメージに直結するという事は、どんなお店でも変わりません。アルバイトを雇われる場合には、オーナーご自身だけで張り切るのではなく、丁寧に指導して接客力の底上げを図っていきましょう。

販促

前項で「サイレントオープン」をお勧めしました。基本的には開店当初は、派手な告知はお勧めできません。しっかりと準備が出来たという段になってから、大々的な告知を行うというのが良いでしょう。基本的な販促については別ページにて記載していますが、ここでは再来店の工夫という観点で何点か実際のアイデアをご紹介いたします。

「大事なのは新規のお客さん!」と考えられる方も多いかと思いますが、本当にそうでしょうか。もちろん新規顧客の開拓というのも重要ですが、それよりももっと大切なのは、一度来店されたお客様にまた来ていただく事ではないかと考えます。飲食業界における一般的なリピート率は2割前後と言われています。とても低い数値です。

しかし、工夫を凝らして常連客をガッチリつかむ取り組みをしているお店では、リピート率を6割〜8割まで増やすことに成功している事例もあります。ここではそんな工夫の一例をご紹介致します。

前回のレシートで、[人数×2]本の串をサービス!(「とりとん」ファイブグループ)

三回行ったらプレゼントがもらえる出席簿?(「馬場よしお」)

大切なのは工夫を凝らすことであり、お金をかけることではありません。チラシやクーポン、宴会受注の工夫など、「どうやったらお客さんが来てくれるだろうか?」「どうやったらもっと売上げを増やせるだろうか?」と考える中で、優れたアイデアを思いつき、実行してみるというサイクルを繰り返すことが、売上げアップの近道と言えるでしょう。

開店される方にむけて

開店直後という時期、忙しすぎて気が回らない上に、休みをとらずにぶっ続けで働き続けられる方がいらっしゃいます。
しかし、疲れて倒れては何の意味もありませんし、自分の都合でオープン時間が遅れたり、勝手に早く閉店したりするのはいただけません。定休日をきちんと設定し、時間をきちんと守ることが大切です。

そのためには、無理の無いスケジュールを組んで、出来うる限り計画的に働くようにしてみてはいかがでしょうか。

あなたのお店が、すがすがしい船出を迎えられるように、応援しております。